台風浸水による後遺症
2019年10月に発生した台風19号は、東日本に大きな被害をもたらしました。
川崎市でも広範囲で浸水し、弊社のお客様にも50㎝を超える浸水被害があり
浸水直後の復旧作業は各機械メーカー様が行い
弊社は機械稼働後の2次的な修理を行いました。
メーカー復旧後から2ヵ月程は、機械内部のスイッチ等による不具合が複数台見られたものの
その後は落ち着いていました。
浸水から5ヵ月程が経ち、機械が動かないとの連絡があり現場に伺いました。
診断の結果、モーターの不具合と判り、取り外したところモーターから水が落ちてきました。(汚水です)
よく5ヵ月もの間モーター内部に溜まっていたなと思いつつ持ち帰って分解してみました。
写真のようにブラケットやローターの軸から下半分がサビ付いており、約5ヵ月間モーター内部の半分に
水が溜まっていたようです。
これではベアリングもサビで固着するのでモーターがロックして動かない訳です。
コイルの絶縁状態に問題は無く、コブ状のサビを取り除き洗浄し
適時に絶縁測定を行いながら乾燥させます。
乾燥後は、ベアリングを挿入して組み立て、数日間試運転を繰り返して納品取付けとなりました。
お客様のお話では、機械は日数を開けずに使用していたそうですが、だんだん動きが悪くなってきて
止まったそうです。
「機械内部に入り込んだ水は場所によっては抜けない」事例のわかりやすい1つだと思います。
また、上で記したスイッチの不具合も、水は抜けても時間と共に内部にサビが発生し
動作不良を引き起こす原因となります。
浸水してしまった機械や装置はしばらくの期間、注意観察が必要です。
2020年05月15日