異音がするベアリングの中を覗いてみる

 

 

今回は、モーターのベアリングからの異音のお話です。

モーターには2個のベアリングが取り付けてあります。

 

写真上段は異音がしてすぐのベアリング内部の状態です。

2個のうち1個のベアリングに、封入してあるグリスの変色が見られます。

また拡大するとグリスが焼けて黒い異物状の黒化が所々見られます

このモーターはベアリング交換をして使用していただきました。

 

写真下段は異音がしたまま、暫く使い続けたベアリング内部の状態です。

2個共に封入グリスが無くなっています。

拡大すると1個は黒化した異物が少しある程度、もう1個は完全に何も無い状態です。

では、グリスはどこに?

写真ではモーターケーシングに大量の黒い粉が付着しているのが確認できます。

これは潤滑不良によりグリスが熱を持ち、ベアリング内部のローラーやケーシングが摩耗して

金属粉と混ざりあって黒い粉となったものです。

更に、この状態で使い続けると、ベアリングが破壊され完全にロッキングを起こします。

このモーターはすでにこの時点で、ケーシングの摩耗がありましたのでベアリング交換は

行わず廃棄し新しいモーターを取付ました。

 

以前にも書きましたが、異音がしてもすぐに消えてしまう、時々異音がするなど継続して

発生しない場合も多くあります。

ですが、異音後のベアリング内部は上記のような過程で悪化していき改善する事はありません。

今回の内部写真が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

今年も残り少なくなりましたが、大掃除等で機械装置の点検を行う際には音の確認もしていただくと

良いと思います。

 

今年1年ありがとうございました。

皆様、良い年末年始をお過ごしください。

 

2024年12月15日

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